2004年12月

2004年12月31日

2004年活動報告

「屋根神さま」に関連する2004年の活動をご報告いたします。同時に、それぞれの場面でご協力いただいた皆さま、こころよく撮影にご協力いただいた地域の方々に感謝申し上げます。

[メディア]
『NHK名古屋放送局』「さらさらサラダ」ぶらっと出会い旅(2月6日放送分)
『NHK名古屋放送局』「ほっとイブニング」(3月2日放送分)
『中部日本放送』 「ロココロ 風景の記憶・残したい風景」
『愛知グリーンマップ2005』 名古屋市西区の屋根神さま2軒を紹介

[講議]
「屋根神さま」講演 名古屋市高年大学鯱城学園「郷土研究クラブ」

[イベント]
『屋根神ウォークIN枇杷島・美濃路』:5月1日、西区役所まちづくり推進部

[メールマガジン] 月刊から不定期刊へ
  発行日 : 主要記事
 1月16日:新年あいさつ
   26日:月次祭レポ=中区平和
 2月27日:月次祭レポ=中区金山、西区名駅
 3月25日:月次祭レポ=NHKの撮影で考えたこと
 4月26日:「ブログ版発行について」
 5月 6日:月次祭レポ=屋根神ウォークIN枇杷島・美濃路 
   26日:月次祭レポ=中村区名駅南
 6月26日:月次祭レポ=西区則武新町ほか
 8月25日:月次祭レポ=西区新道
  30日:「新しくなる町、消えゆく風景」
 9月 6日:「はじめての屋根神さま」昭和区御器所ほか
   16日:月次祭レポ=昭和区御器所ほか
   22日:「消えるかもしれない」
 10月1日:月次祭レポ=熱田明野町
   4日:「秋祭レポート」西区菊井一帯
   6日:「秋祭を取材しながら」
   11日:「秋祭レポート」中村区旧花車町一帯
  15日:月次祭レポ=中川区柳堀町
   19日:「屋根神さまについて書かれた書籍、資料について」
11月 3日:月次祭レポ=熱田区・大瀬子地区
   15日:「屋根神さま探訪記」小牧
   25日:「屋根神さま探訪記」犬山
   28日:「屋根神さま探訪記」瀬戸
   29日:「屋根神さま探訪記」西尾
   30日:訂正版
12月 18日: 「秋葉祭レポート」西区・瑞穂区
   25日:「屋根神さま探訪記」岡崎
   30日:2004年活動報告

[撮影]
〈1月〉
正月(1,2,3日)…中区平和、金山、新栄町、
西区栄生、枇杷島、那古野、笠取町、城西
中川区西日置、柳堀、前並町、中村区名駅、名駅南、
熱田区切戸町、明野町、花表町
昭和区北山本町、曙町、緑町、円上町、白金、千種区山門、北区上飯田東町、城東町、東区東桜、筒井
旧六句町氏神祭(8日)…西区幅下

〈2月〉
月次祭(1日)…中区金山、西区名駅、枇杷島、瑞穂区船原町、

〈4月〉
月次祭(15日)…西区栄生、則武新町、菊井

〈5月〉
月次祭(1日)…西区栄生、枇杷島
月次祭(15日)…中村区名駅南、中川区西日置、西区名駅
旧六句町月次祭(16日)…西区幅下
津島神社祭礼(29,30日)…西区則武新町

〈6月〉
筒井天王祭(5日)…東区筒井一帯
枇杷島梵天祭(27日)…西区枇杷島一帯

〈8月〉
月次祭(15日)…西区新道、幅下、熱田区明野町
消えゆく風景(29日)…西区栄生、則武新町、名駅、東区泉、瑞穂区船原町、中川区西日置

〈9月〉
新しい屋根神さま(4日)…昭和区御器所、中村区中村中町、西区名駅、菊井
月次祭(15日)…昭和区御器所、中村区中村本町、中村中町、名駅、那古野、西区那古野

〈10月〉
月次祭(1日)…西区那古野、熱田区明野町
月次祭(15日)…中川区柳堀町、前並町、福住町、露橋町、中村区中村中町

〈11月〉
月次祭(1日)…熱田区大瀬子町一帯
尾北の屋根神さま(14日)…小牧市
旧六句町秋葉祭(16日)…西区幅下
犬山の屋根神さま(21日)…犬山市
瀬戸の屋根神さま(24日)…瀬戸市
西尾の屋根神さま(27日)…西尾市

〈12月〉
月次祭(1日)…熱田区大瀬子町、旗屋町、西区城西
月次祭(15日)…西区菊井、押切
秋葉祭(16日)…西区枇杷島、瑞穂区苗代町
岡崎の屋根神さま(23日)…岡崎市
枇杷島の屋根神さま(26日)…西枇杷町、新川町

2004年12月19日

【私と屋根神】自転車の話、その二

12月16日、秋葉三尺坊の命日に当たるこの日、秋葉神社を祭神にまつるほとんどの屋根神さまでは秋葉祭を行いました。神さまと地域の人々の関わりを撮りたいと考える私にとって、町内中の人々が社殿の前に集まりかがり火を囲んでお神酒を飲みながらその年一年を振り返る風景は絶好のシャッターチャンスです。さらに通常の月次祭と違って参加する人数も多く、屋根神さまをはじめその土地の昔話などを聞くことができるというメリットもあります。お神酒を片手に手を薪にかざしながらの取材は心身共に温かい雰囲気に包まれます。名古屋にもまだこんな風景が残っているんだ、と妙に安心してしまいます。

ところでその秋葉祭に出かけようと相棒の自転車に目をやると前日に交換したはずのタイヤの空気が抜けていました。自宅には空気入れがないのでタイヤ交換をしておいて、翌日自転車屋さんで空気入れを借ればいいや、と思っていました。そこで当日の朝、自転車屋さんに行き空気入れを借りて空気を入れたところ順調にタイヤはふくらみ、乗っても違和感はありませんでした。これでいける! タイヤがバーストして以来、乗っていなかったので久しぶりにペダルをこげる喜びに浸りました。

しかしです。午前中用事があり、外のポールにつないでおいたらいつも間にやら空気は抜けてしまっていました。おかしい、朝はしっかり入ったはずなのに...。西区枇杷島で一番早く行われる秋葉祭は午後2時から。一時間半ほど時間があるのでどうにかなるだろうとタカをくくったのが裏目に出てしまいました。朝に空気入れを借りた自転車店に行き事情を話しどうしたらいいかを聞こうとしたところ、店の主人は愛想もなく、「そんなもん知らん」のひと言。空気入れを使うのはかまわないけどあとは知らん、しかも最後には客である私に対し「あんた」という始末。私が何か悪いことでもしたかのような店主の態度に腹を立てながら、店を出ました。まったく商売する気がないのかなあ。

でもパンクした自転車を直さなくては現場にむかえません。そこで以前空気入れを借りたことのある自転車屋さんを思い出しました。たしかすぐ近くにあるはずだ...
「すみません、うしろのタイヤの空気が抜けてしまうんですけど...」すると店の奥から出てきた店主は「サービスで空気入れてあげるよ」とコンプレッサーで後輪のバルブに勢いよく空気を送り込んでくれました。しかしパンパンに入ったものの指に力を入れてタイヤをグッと押すと、次第に空気が抜けていくのが分かります。明らかにパンクしています。「修理してくださいますか」とお願いしながらも時計とにらめっこです。あと一時間しかない。

後輪をはずしタイヤとチューブをリムから引きはがしてみるとチューブに小指の爪ほどの穴が空いていました。おそらく前日のタイヤ交換でチューブに傷がついたようです。しかもタイヤが極細なので通常のチューブではタイヤの中に納まりきらずそれがパンクの原因となったのでしょう。タイヤ径は18インチ。しかし店主は、18インチだとチューブがタイヤの中でたるんでしまい、すぐにパンクしかねない、それなら小さい径のチューブのがいい、と16インチのチューブでやってみようと言い出しました。取りあえず走るようになって現場に行きたい気持ちでいっぱいの私は「ご主人におまかせしますよ」とお願いしました。ただこれはあくまでも邪道なことなので「成功しても実費のみ、失敗したらタダでいいよ」とご主人。

果たして18インチのタイヤに16インチのチューブを入れられるか。その問題の答えは以外と早く出てしまいます。確かに径が違うので一見無理だと思いますが、チューブはワイヤーが入っているタイヤとは違い純粋なゴムです。空気を入れてやればかなりの大きさにふくらます。だから2インチくらいならどうということもない。ご主人いわく「チューブの場合は“小は大を兼ねる”んだよ」。

さて16インチのチューブを入れてはみたものの、チューブの幅の問題が出てきました。先述した通り極細タイヤのため本来ならば専用のチューブを使わなくてはならないところをタイヤよりも広い幅が広いためにこれを押し込めるのがひと苦労。ご主人は四苦八苦しながらもタイヤにチューブを押し込みリムに取り付けていきます。そしてタイヤが完全に取り付けられたところで空気を入れてみました。これで撮影に間に合うと思ったのも束の間、タイヤを押さえてみると見る見るうちに柔らかくなり、しまいにはもとのペコペコな状態に戻ってしまいました。

時計を見ると祭事の15分前。どうしようもありません。あきらめかけたそのとき、ご主人は笑みを浮かべてこういいました。「今回の失敗から学ぶとすればこの細いタイヤの中にチューブを入れる方法が問題だなあ。細いタイヤに幅の広いチューブを入れるとはみだすからパンクの原因になる。であればチューブの幅をテープで巻いて細くすればいい。これも邪道だけど、邪道じゃないと付けられないからね」とチャレンジ精神十分。しかもすでに一時間以上私の自転車と格闘してくださっています。

その自転車屋さんは地下鉄浅間町駅の北側、江川線を北に100mほど歩いたところにあります。外観はきれいとはいえないけど、私の自転車と格闘している最中にもお客さんが来ていたからこの辺りでは信頼を得ている自転車屋さんなのでしょう。ちなみに私に「あんた」呼ばわりした自転車屋もすぐ近く。浅間町にはこれほどまでも差のある自転車屋があるものだと妙に感心してしまいました。

さて、二回目のチャレンジが始まりました。時計を見るともう神事には間に合わいません。一年に一度の秋葉祭も大切ですが、ここまでかかり切りになってくださっているご主人との出会いも何かの縁だと思います。「ご主人にお任せするので時間のことは気にしないでください」と、私も覚悟を決めてお店の入口に腰をおろし作業の行く末を見守ります。一回目の失敗の教訓であるチューブ幅を狭めるために「昨日買ってきたばかりなんだよ」という「セキスイ」のセロテープを10cmくらいに切り、チューブに巻き付ける。チューブは内側にたたみ込みテープは2cm間隔で巻き付ける。巻き付け終わったあとにタイヤの中に入れリムに取り付ける。チューブがタイヤからはみ出ないように今回は執拗にリムとタイヤの間をチェックします。そしてついにタイヤが取り付けられ、最後の作業である空気を入れます。「理論上では空気が入ると同時に巻き付けたセロテープがぶちぶちちぎれるはず。その音が聞こえるかもしれない」

空気を入れると予想通りテープがちぎれるとおぼしき音がぶちぶち聞こえてきました。空気を入れて30秒ほど待ち漏れがないのを確認。無事オペレーションは成功しました。
「念のため、あとでチューブは専用のものに取り替えた方がいいよ。今回の交換はあくまでも臨時の措置だから」
またご主人は実費の750円でいいよといってくださいました。

確かにご主人のいわれるように今回の「措置」は邪道で、正規の料金を取ることができないのもうなずけます。しかしそばでその仕事ぶりをみていると「ああ、これがプロなんだなあ」と思わずにいられませんでした。もちろん自転車ですから安全を第一に考えなくてはいけないのは当然ですが、経験と知識を総動員し、失敗から教訓を得て要望に再びチャレンジする。しかも時間がない私を常に気づかって仕事を進めてくれました。

結局、2時から始まる神事には間に合いませんでしたが、プロの自転車職人とでもいうべくご主人と出会えてよかった! 心の中がすがすがしい気分になり、その後の撮影は順調に終わったとさ。

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モリマコトの紹介
1973年7月、名古屋市瑞穂区出身。立命館大学卒業後、韓国・ソウルに遊学。帰国後の「ふがいない時期」に図書館で偶然であった屋根神さまに魅せられる。現在、名古屋市内を中心に愛知、岐阜の屋根神さまを撮り歩き、「屋根神さまのある風景」「まちの文化遺産屋根神さま」等の写真展も開催している。名古屋市熱田区在住。