2011年07月20日

町の神さま考「今井町の太神宮さん」No3

 日待講は午前中に行われる。僕が到着した午前8時半にはすでに多くの町内で祭壇の設営と飾りつけは終えられていた。各隣組を回る神主さんは二組に分かれお祓いを行う。僕は目星をつけて歩いていたわけではないが、できるだけ多くの太神宮さんを見ようとあちこちを歩いて回っていた。お祓いの現場も午前中だけで数回拝見させてもらったが、11時を回ったころだろうか、春日神社近くの組を最後に終了となった。僕も偶然その場に居合わせたので、神主さんに声をかける。

「まだありますか?」
「ここが最後や。これから神社に帰ってお祓いすれば終わりや。兄さんもよかったら来てもろてもええで」

110716今井町日待講10


 嬉しいお言葉を頂いたので自転車に乗った神主さんの後をついて春日神社へと向かった。本殿の南側に並んだ常夜灯のなかに太神宮と刻まれたものを見つけた。火袋の下に注連縄がしめられ、前には山海の幸が並び、そこで氏子さんとともにお祓いを受けた。玉串奉典もさせていただいた。春日神社を出て歩いていると各隣組では祭壇を解体したりお供えを配ったり、日待講の後片付けをしていた。

 今井町は古い町並を活かしたまちづくりを最初に行いそれが名古屋の有松や岐阜の美濃市をはじめとして全国に普及していったという。しかしいくら古民家というハード部分が充実していても、それは単に古いものが残っているだけでしかない。そこに地域のひとたちが先人から引き継いできた文化(まつりや信仰もそのひとつだと思う)というソフト面があって、両者のバランスが取れてこそマチが活きているといえるのではないだろうか。かつてよく通った美濃市は建築物としての古民家やうだつのすばらしさはいうまでもないが、火伏の秋葉さんの祭礼も各町内で熱心に行っている。物心両面で活き活きしているマチを僕は今後も訪ね歩きたいと思っている。日待講を見ながらそう思った。

日待講を見ながらいくつかの疑問点が生じたので、忘れずに記しておきたい。
今井町における日待講の起源は? 
いつごろから始まったものなのか?
現在今井町で日待講を行っている組は何ヶ所か?
なぜ7月16日が祭礼日なのか?
現在は隣組単位で行われているがかつてはどういった組織で運営されていたのか?
今井町における伊勢信仰について。
祭礼方法、掛け軸をまつる方法はいつから?
常夜灯や石像の建立について。
常設ではなく祭礼日にのみおまつりするのはなぜ?
今井町と奈良県内周辺地域の比較。
奈良県の伊勢信仰と他県の伊勢信仰の比較。

 疑問が尽きないが、あいにくそれらを調査したひとはいないらしい。まちなみ交流センターで自治体史などを見てもらっても日待講については「載ってないねえ」のひとこと。

「調べはったらよろしいがな、時間かかると思いますけど」

一年に一回の日待講である。調べるとすればどれだけの時間がかかるだろう...それよりも自分にそんなことができるのかを考えながらも、今日は来てよかったとほっとした気分で近鉄の駅に向かった。

yanegami at 07:42コメント(4)トラックバック(0)  この記事をクリップ!
コラム:町の神さま考 

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コメント一覧

1. Posted by m-comada   2011年07月20日 08:15
おはようございます!
すっかり無沙汰してしまってXD

お元気そうで、なによりです!!

モノクロ、いいですねー
それに、なんとなく日本人の原点というか・・・古典的な感じの中に、いろいろと大切なものがあるのかもしれませんね。

そろそろ近所の屋根神さまも、お祭りかな・・・

お近くに来られる予定がありましたら、いつでも声をかけて下さい;D


では、失礼いたします。
2. Posted by yanegami   2011年07月22日 07:12
こちらこそご無沙汰しております。
お元気ですか?

僕はいっとき、ブログの更新もやめてしまっていましたが、このところ屋根神さまもかなりのスピードでなくなり、また屋根神さまのあった風景、つまり長屋など古い建物も取り壊されていく中で、僕の活動を続けていくことの意味を考えました。
ほんの小さな行動ですが、屋根神さまに関心を持つひとにとって少しでもお役に立てばと思っての再開です。
また機会がありましたら、写真のことなどいろいろと教えてください。

よろしくお願いします!

ちなみに2年ほど前にモノクロの
撮れるコンパクトデジカメを購入しました。
3. Posted by 常夜燈   2011年09月13日 14:13
お元気ですか!?
今度の屋根神ウォークでお会いできるのを楽しみにしています。
奈良県内の伊勢神宮常夜燈を調べて
本を出した人がいます。その追加版を
出版予定してる人がいます。
常夜燈の祭については私が調べています。
4. Posted by yanegami   2011年09月21日 08:29
こんにちは。
やはり調べてみえる方がいるんですね。
残念ながら当日訪れた橿原市図書館では関連図書を見つけることはできませんでした。
本が出れば一度拝見したいものです。

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